ドラッカーの「経営者の条件」・・汝の時間を知れ|LBコンサルテイング

ドラッカーは彼のさまざまな著者のなかで「経営者=リーダー」にとっていかに「時間」が大切であるかを繰返して述べています。今日は、この「時間管理」について考えていきます。
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ドラッカーは、「時間」を「普遍的な制約条件」として位置付け、これは万人に共通したものであり、この制約条件を少しでも有効活用した者が成果をあげる人間になると説明しています。

時間管理の基本

彼は時間管理の基本は、

1.時間を記録する
2.時間を整理する
3.時間をまとめる

 

と分類され、この基本のサイクルを徹底することから、「成果を上げる人間」が生まれると指摘しています。しかし、いくら時間管理を習得してもすべての人間が成果をあげれるわけではありません。かといって時間管理おろそかにして成果を上げたものは誰もいないというのも現実です。

私たちのまわりには時間を扱った格言、至言が昔からいろいろあります。ざっと思い浮かべただけでも

タイムイズマネー。
光陰矢の如し。
少年老いやすく学なり難し

等と誰でも、時間に関することわざをしっているか質問されると2つや3つはすぐに思い浮かべられる身近な格言のひとつです。
そうでありながらこれをビジネス上の題材として分析し、あるべき姿を掲げ、そこに到達するために何が必要であるか等と論理立てて考察している人は、ドラッカー以前の時代では、私の知る限りいません。
(ドラッカー以降はドラッカーの論稿のやきなおしをした書物はたくさんあります)

時間を無駄に使わせる圧力

私たちが「成果をあげよう」と意図してもこの世の中にはつねに

外部からの圧力

「時間を無駄に使わせる圧力が働いている」
ドラッカーは、この世に生きることが相互に作用しあう集合体である性格上、ビジネス上の役職が上になればなるほど、この圧力が増していくと説明しています。そして、もし、自ら主体的にこの圧力をコントロールしようと努力しなければ、いつまでたっても自分自身は、時間を浪費し精一杯忙しく動いても「成果」からは遠いところで歳月が過ぎていくマイナスのスパイラルに陥っていくことになると注意をしています。

内部からの圧力

加えて人間は自分自身が費やした時間を正当化し、記憶を書き換えることが多々あります。第三者から客観的にみれば時間の浪費であっても、人間は、小さなことは自分の精神を安定させるために進んで記憶書き換えを行い、何事もなかったかのように修復作業をします。この積み重ねが貴重なビジネスの時間を減少させていきます。

時間を記録する効用

人間は、時間を記録したことがないときは、大事な用件に「時間」を使っているつもりでいますが、これをタイムリーに記録していくと重要でない用件に多くの時間を使っていることに愕然とするはずです。このように時間をタイムリーに記録していくことは自分の実体を把握する効力があります。ドラッカーは、これを3~4週間、書きとめ、1年のうちで何回か見返すことが自分自身の時間を正確に知ることになると勧めています。

整理する

 

そして、次にこうやって記録された時間を整理する段階になります。3~4週間記録した時間のまとまりがどのような仕事だったか分類します。このなかから、その仕事をまったくしなかったならばビジネスで何が起こるを考えます。

1.捨てても問題がない仕事ならば、その仕事はただちにやめること。
2.他の人間がやっても問題がない仕事かどうか、またやれる人間がいるかどうか考え、やれる人間がいたなら任せること。

「経営者=リーダー」の時間管理は、いってみれば仕事の棚卸しを行っているのと同等の行為といえます。

単に、一生懸命仕事をしていても、仕事をしているとは言えません。仕事の仕組みを考え、自分の仕事の成果がどこにあるか意識しながら動かなければ、自分のもっている「真面目さ」は何の価値もないと自覚しなければなりません。
 

時間浪費の原因を整理

成果をあげる」ためには「エクゼクティブ」つまり「経営者=リーダー」は「自由に使えるまとまった時間」が必要です。もし、つねに無駄な時間をしいる圧力が組織から襲いかかってくるとしたら、「成果」がおとずれるのは偶発的な幸運からしか期待できなくなります。

 

こういった運任せの組織運営はマネジメントとは言えません、いつも緊張して意識的に時間をコントロールしていかなければならないというスパイラルは、個人レベルでとどめてすませる話ではありません。

このパターンを把握し、それに対する処方箋をもつことは「成果」をひきよせる第一歩となります。

 

組織の欠陥から生まれる時間の浪費を生み出す原因は以下のとおりです。

 

1.周期的な混乱の存在
2.人員過剰からくる時間の浪費
3.会議の過剰
4.情報に関わる機能障害

一番目に
1.周期的な混乱の存在
と呼ばれるものです。

ドラッカーは「周期的な混乱」は独特の特徴があるため予知、予防ができ、ほとんどの場合はルーテイン化できると指摘しています。そして、「経営者=リーダー」は、その混乱の経験から学ぶ必要があり、それを体系的かつ段階的プロセスにまとめてルーテイン化していかなければならないと強調しています。
 
この例として

季節変動による毎年、決まった時期に起こる過大在庫
売上キャンペーンの混乱
決算期による予算作成
予算消化の混乱

などがあげられます。
 
2番目に
 
2.人員過剰からくる時間の浪費
 
と呼ばれるものです。例えば、大きな赤字を計上しているにもかかわらずまだ経営的に余裕のある企業のように顧客満足やチャンスロスの撲滅などというもっともらしいお題目の一部を誤って解釈して、一年に一度しかない繁忙期のために一年中、余分な人員を配置したり、めったに仕事がないにもかかわらず法務や外国語やITの専門家を配置していることなどが積み重なって現れてきます。
 
このことの診断方法はある部署の人たちが互いの仕事を疎かにして仕事上の連絡、人間関係作り、業務の説明のためと称して打ち合わせで一定時間抜け出したり、所属の課員が年度の有給休暇を完全に消化しあってもその部署の仕事に何の支障もない組織であったり、経営資料として誰も見ない、もしくは一年に一回ぐらいしか見ないものを2、3人で一生懸命作っているグループがあったり、といった組織はどこかに「人員過剰からくる時間の浪費」をかかえているといえるでしょう。
 
3番目は
 
3.会議の過剰からくる時間の浪費

 

と呼ばれるものです。このことの改善策は、要点だけを繰り返しますと「会議の目的をはっきりさせる」ということが改善策の根本になります。そして、頻繁に会議が必要とされる組織は組織構造上の問題をかかえていると自覚した方が良いと思います。こういった組織には仕事の組み立てや組織単位に欠陥があります。欠陥の故に、一度で伝わるべき伝達事項が二つも三つもの部署に繰返し伝達しなければならないことになり、結果として会議過多という泣きたくなるような解決策が必要不可欠のものとして根をはやしていきます。

最後に
 
4.情報に関わる機能障害
 
と呼ばれるものです。
 
これも組織内で生ずる情報を関連する部署に伝達する仕組みが不完全だったり、必要な情報の単位が組織内で咀嚼できていなかったりすることから現れてきます。
 
いってみれば、組織内での情報の方向付け、意味付けが欠落して組織内の仕事が各々、孤立しているために起こるものです。

「仕事の成果」は自分が行ったインプットを誰かが利用してさらにアウトプットしてくれることによって現れてくるというビジネスサイクルを再度考える必要があります。

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