2026年版・経営者のための補助金マップ 5選
こんにちは。LBコンサルティングのやっさんです。
「補助金を使いたいけれど、種類が多すぎて、どれが自社に合うのかわからない」――経営相談の中で、いちばん多い質問のひとつです。
補助金は「単発で取って終わり」ではありません。経営戦略の一部として、複数年・複数本を組み合わせて使うことで、投資効率が一気に高まります。
本記事では、2026年5月時点で中小企業経営者が押さえるべき主要5補助金を、最新の公募スケジュールと経営フェーズ別の使い分けまで含めて整理します。
① 5補助金の位置づけマップ
まずは全体像です。中小企業向け補助金は数多くありますが、経営者がまず押さえるべきは次の5本です。

| 補助金名 | 主な目的 | 補助上限 | 補助率 | 主な対象 |
|---|---|---|---|---|
| ものづくり補助金 | 設備投資・新商品/新サービス開発 | 枠により750万〜数千万円 | 1/2〜2/3 | 中小企業・小規模事業者 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 販路開拓・業務効率化 | 50万円(特例で最大250万円) | 2/3(特例で3/4) | 小規模事業者 |
| 事業承継・M&A補助金 | 承継・M&A・PMI支援 | 最大2,000万円 | 1/2〜2/3 | 承継・M&Aを行う中小企業 |
| 省力化投資補助金〈一般型〉 | IoT・ロボット・AIによる省人化・自動化 | 最大1億円 | 最大2/3 | 中小企業・小規模事業者 |
| 中小企業新事業進出補助金 | 既存事業と異なる新市場・高付加価値事業への進出 | 従業員数別 最大7,000万円(賃上げ特例で最大9,000万円) | 1/2(特例で2/3) | 中小企業・小規模事業者等 |
それぞれ目的も金額も大きく異なります。次の章で1つずつ詳しく見ていきましょう。
② 5補助金の最新情報(2026年5月時点)
(1) ものづくり補助金
正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。設備投資や新商品・新サービス開発を支援する制度で、製造業から商業・サービス業まで幅広く活用できます。
- 第22次公募 申請締切:2026年1月30日(終了)
- 第23次公募 申請締切:2026年5月8日(終了)
- 第23次の採択公表:2026年8月上旬予定
- 第24次公募:秋頃想定
- 補助上限:枠により750万円〜数千万円
- 補助率:1/2〜2/3
公式サイト:https://portal.monodukuri-hojo.jp/
(2) 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者(製造業など20名以下、商業・サービス業は5名以下)の販路開拓と業務効率化を支援する制度です。中小企業の中でも特に小規模な事業者にとって、もっとも身近で使いやすい補助金です。
- 第19回 申請締切:2026年4月30日(終了)
- 事業支援計画書(様式4)発行締切:2026年4月16日
- 第20回:次回公募想定
- 補助上限:50万円(特例活用で最大250万円)
- 補助率:2/3(賃金引上げ特例の赤字事業者は3/4)
- 共同・協業型/創業型もあります
公式サイト:https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/shokibo/jizoku/
(3) 事業承継・M&A補助金
旧「事業承継・引継ぎ補助金」が制度再編され、現在は「事業承継・M&A補助金」となっています。親族内承継・第三者承継・M&A・PMI(M&A後の経営統合)を幅広く支援します。
- 第14次公募 申請受付:2026年2月27日〜4月3日(終了)
- 第13次 交付申請受付締切:2026年5月29日(金)17:00(目前)
- 公募枠:事業承継促進枠/専門家活用枠/PMI推進枠/廃業・再チャレンジ枠
- 補助上限:最大2,000万円(特例措置あり)
公式サイト:https://shoukei-mahojokin.go.jp/
(4) 中小企業省力化投資補助金〈一般型〉
人手不足対応・自動化のためのIoT/ロボット/AI設備への投資を支援します。最大1億円という大きな補助上限が特徴で、製造業はもちろん、サービス業・物流・小売など幅広い業種で活用されています。
- 第6回公募要領:2026年3月13日公開
- 申請受付:2026年4月中旬〜5月中旬予定
- 補助上限:最大1億円
- 補助率:最大2/3
- 対象:IoT・ロボット・AI活用の省人化設備
公式サイト:https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/
(5) 中小企業新事業進出補助金
2025年度に創設された比較的新しい補助金です。中小企業等が既存事業と異なる事業へ前向きに挑戦し、新市場・高付加価値事業への進出を図ることを支援します。事業再構築補助金の後継的な位置づけで、企業規模の拡大・付加価値向上を通じた生産性向上と賃上げを目的としています。
- 第3回公募 申請受付:2026年3月27日(金)〜2026年6月19日(金)18:00まで(厳守)
- 補助上限(従業員規模別):
- 20人以下:750万円〜2,500万円(賃上げ特例で3,000万円)
- 21〜50人:750万円〜4,000万円(賃上げ特例で5,000万円)
- 51〜100人:750万円〜5,500万円(賃上げ特例で7,000万円)
- 101人以上:750万円〜7,000万円(賃上げ特例で9,000万円)
- 補助率:1/2(賃上げ特例の適用で2/3)
- 第1回公募実績:応募3,006件→採択1,118件(採択率約37.2%)
公式情報は「中小企業新事業進出補助金事務局」で検索のうえご確認ください。
③ 経営フェーズ別の使い分け
5補助金は、経営フェーズに応じて使い分けるのが基本です。
- 創業期・スタートアップ → 持続化補助金(創業型)/持続化補助金 一般型
- 成長期・拡大期 → ものづくり補助金(新商品開発)/省力化投資補助金(自動化)/新事業進出補助金(新市場開拓)
- 転換期・第二創業期 → 新事業進出補助金(既存事業と異なる新分野への挑戦)
- 成熟期・円熟期 → 省力化投資補助金(人手不足対応)/ものづくり補助金(生産性向上)
- 承継期・出口戦略 → 事業承継・M&A補助金(親族内・第三者承継/M&A)
たとえば成長期の製造業なら、「ものづくり補助金で新商品開発」と「省力化投資補助金で生産ライン自動化」を並行で進める、といった戦略が組めます。既存事業からの脱皮を狙うなら、新事業進出補助金で新市場・新分野へ大きく踏み出す選択肢もあります。
④ 採択率を上げる3つのポイント
(1) 事業計画の質
「数字で語る」のが鉄則です。投資額・売上効果・人時生産性・利益率など、定量的に効果を示せると採択率が上がります。逆に「がんばります」だけの定性的計画では通りません。
(2) 加点要素の取得 ― ここが採否の分かれ目
2026年度の5補助金は、それぞれ10〜15項目の加点制度を設けています。「事業計画の点数だけで判定される」と思い込んでいる方が多いですが、実際は加点を1〜2個積み上げるだけで採択ラインを越えるケースが珍しくありません。事業計画を磨くのと同じくらい、加点要素の取得を本気で取りに行くべきです。
■ 主要補助金で「使い回せる」定番の加点
複数の補助金で重複して評価される加点項目は、先に取得しておくと申請のたびに加点として効きます。コストパフォーマンスがもっとも高い領域です。表中の「IT」は2026年から名称変更されたデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)を指します。
| 加点項目 | 取得難易度 | 主に使える補助金 |
|---|---|---|
| パートナーシップ構築宣言 | ★(数日・無料) | ものづくり/新事業進出/省力化投資/IT ほか |
| 経営力向上計画の認定 | ★★(1〜2か月) | 持続化/事業承継・M&A/IT ほか |
| 経営革新計画の承認 | ★★★(都道府県審査・数か月) | ものづくり/事業承継・M&A ほか |
| 健康経営優良法人2026 | ★★(年1回認定・無料) | ほぼ全補助金(IT含む) |
| えるぼし/くるみん(女性活躍・両立支援) | ★★★(厚労省認定) | 新事業進出/ものづくり/事業承継・M&A/IT |
| 事業継続力強化計画の認定 | ★★(1か月程度) | ものづくり/事業承継・M&A ほか |
| 賃上げ加点(地域別・事業場内最低賃金引上げ) | ★★(賃金台帳の整備) | ほぼ全補助金(IT含む) |
| 省力化ナビ加点(中小機構サイト確認) | ★(数十分・無料) | 省力化投資/IT |
■ 補助金別の特徴的な加点
- ものづくり補助金(第23次):DX認定/J-Startup・J-Startup地域版/被用者保険適用拡大/成長加速化マッチングサービス/事業承継・M&A実施 など。「2025年7月と比較して事業場内最低賃金を63円以上引上げ」が賃上げ加点の具体基準
- 小規模事業者持続化補助金(第19回):「重点政策加点」1つ+「政策加点」1つの合計2つまで選択する方式。重点政策には①賃金引上げ特例 ②地域資源等の活用 ③地域課題解決サービス ④60歳以上代表者の後継者支援――の4種類があり、選び方で点数の伸び幅が変わる
- 事業承継・M&A補助金(第14次):中小企業会計指針/要領の適用/地域未来牽引企業/サイバーセキュリティお助け隊サービス契約/事業場内最低賃金+30円以上の賃上げ予定
- 中小企業新事業進出補助金(第3回):アトツギ甲子園のピッチ大会出場/技術情報管理認証制度/再生事業者加点(中小企業活性化協議会の支援先)/成長加速マッチングサービス登録/特定事業者加点――の計11項目。連携体申請の場合は構成員の半数以上が条件を満たすことが必要
- 中小企業省力化投資補助金〈一般型〉(第6回):2026年3月新設の「省力化ナビ加点」がイチオシ。中小機構の「省力化ナビ」サイトで生産性向上の知見を確認するだけで取得可。所要数十分・無料・即日で加点になる「最速の加点」
- デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)2026:主要5補助金とは別枠ですが、加点の考え方は共通項が多く参考になります。
- 賃上げ表明加点:通常枠B類型(補助申請額150万円以上)では賃上げが必須要件、A類型(150万円未満)では任意の加点項目
- 「みらデジ経営チェック」:通常枠は必須/インボイス枠・セキュリティ対策推進枠は加点項目。経済産業省が運営する無料の経営自己診断サービス(所要15分程度)
- IT戦略ナビwith/省力化ナビ:いずれも中小機構の無料サイト。所要数十分で完了する「最速級の加点」
- クラウド型/インボイス対応ITツールの導入:補助対象ツールの選定そのものが加点に直結する独自の仕組み
- えるぼし/くるみん/健康経営優良法人2026/パートナーシップ構築宣言:主要5補助金と同じく加点対象
■ 知らないと損する「減点項目」
加点ばかりに目が行きがちですが、新事業進出補助金には明文化された「減点項目」もあります。①過去に他補助金で賃上げ加点を受けながら未達だった事業者は18か月間「大幅減点」、②過剰投資と判断される計画は減点、③過去補助事業の事業化が進んでいない(事業化段階3以下)と減点――の3つです。加点を取りに行く前に、過去の補助事業のフォロー状況を整えることも見逃せません。
(3) 専門家の活用
IT導入補助金の採択率は約43.8%まで低下しているという調査もあります。独学では厳しい時代です。実績ある専門家の伴走支援を受けることで、採択率は大きく変わります。
⑤ まとめ ― 補助金は「経営戦略の一部」として組み立てる
本記事の要点を整理します。
- 5補助金は「単発」ではなく「組み合わせて」「経営フェーズに合わせて」活用する
- 公募スケジュールは流動的なので、最新情報は公式サイトで都度確認する
- 事業計画の質・加点要素・専門家活用の3点が採択率を左右する
- 事業承継・M&A補助金の第13次交付申請は2026年5月29日締切。お忘れなく
- 新事業進出補助金 第3回公募は2026年6月19日18:00締切。既存事業と異なる新分野への挑戦に最大9,000万円
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